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ふたたびエルナンド・アビレスを加えたパンチョスの録音は1957年2月28日に始まった。アビレスも乗り気だった。 ◆エスペーラメ・エン・エル・シエロ / プエルト・リコのパキート(フェルナンド)・ロペス・ビダール作。 ロス・テコリーネス(テコローテスではない。このグループはあとにも出てくる)版も人気があった。 ◆ボイ・グリタンド・ポル・ラ・カジェ / コロンビアのディレクター、フェルナンド・Z・マルドナード作(a )。エルマノス・マルティネス・ヒルも録音したがアビレスの声質に合わせて書き下されたのではないかと思う。 ◆エキボカステ・エル・カミーノ / イダルゴ州出身のレキント奏者オメロ・アギラールの初期の作品。お前はオレを独占しているつもりだろうが、あらゆる愛にオレは男だ、エキボカステ・エル・カミーノ ◆ウン・ミヌート・デ・アモール / アルバーロ・カリージョ作(57年刊)。ページLa Historia 15に記したが58年にアメリカで出されたパンチョスのアルバムの表題にもなった。 3月7日に◆カンシオネーロ / アルバーロ・カリージョ作(57年刊) ◆サブラ・ディオス / アルバーロ・カリージョ作(57年刊) ◆エル・レローホ / ロベルト・カントラル作 ◆ラ・バルカ / 同。以上二曲はカバジェーロスと聴き比べると実に面白い。特にラ・バルカはカバジェーロスはサビの部分でファルセーテふうな唄法を使ってドラマチィクに盛り上げるのだがパンチョスはいつもながらに歌い流してしまった。もっともこのことはほかの歌手、グループにもいえることで、ひとえにカバジェロスの技能賞である。 |
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3月20日にはパンチョスの面々の新曲を中心に ◆ダーニョ / カルロス・アルトゥーロ・ルイス作 ◆ドス・アマンテス / ヒル作 ◆レグレーサ・ミ・カンシオン / ナバーロ作 ◆ジョ・ブエルボ / アビレス作。 (HP・作成者、アビレス2期では一番好きな曲であり迎春初聴きの曲でもある)。 以上の録音の出されようはアビレス復帰に際してSPがないとはあり獲ないと思うのだけども手元に資料が無いので分からないのが口悔しい。 いずれにせよ、このあとにパンチョスはニューヨークへ旅立った。その携行品の中には、これら十二曲の収録テープもありはしなかったろうか。古くからの米コロンビアのスタッフはオリジナルなパンチョスの顔ぶれに雀躍せなんだか。WL_112ア・モーメント・ラブの企画はこのようであったと私は確信する。このレコードは曲順まで今並べた順序と殆どそっくりで、LPの配列がそっくり録音の順序だったのかかも知れない。 ニューヨークへ来た目的は2週間にわたるプエルト・プエルト・リコ劇場公演のためだった。もちろんレビュー形式だからほかにも多彩なアーティストたちが出演するのだがその顔ぶれの中にプエルト・リコのジョニイ・アルビーノとそのトリオ・サン・ファンがあった。ヒルとナバーロ二人ともアルビーノの声にぞっこん惚れこんだ。そしてこれは単なる顔合わせでは終わらなかった。アビレスが体調をくずし、とても舞台に立てるような状態ではなくなってしまったのである。困った二人が代役に依頼したのがアルビーノだった。そんなことが可能かと疑われようが、それは二時間近いコンサートに慣れているからこその疑問であって、レビューなら多くても十曲なのである。パンチョスのレパートリーをよく知っていたアルビーノ(このことはあとで記す)は、ちょっと練習しただけで2週間を務めあげてしまった。この時アルビーノと二人の間には或る約束か交わされたのだが、今はそのことには触れないで先に進もう。 ニューヨークからベネスエラ、パラグアイ、アルゼンチン、ブラジルと南米めぐりの旅に出る。今回は旅先でのトラブルもなく、ブラジルで次の8曲を録音した。ヒルがやたら忙しい。 |
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◆アングスティア / キューバのオルランド・ブリート作 ◆ハカランドーサ / キューバのニコ・キサート作グァラチー ◆アミーゴ・セーロス / ブラジルのルビシーニョ・ロドリゲス作(b)アミーゴ・シゥーメ(57年刊)。当時のヒット・サンバにヒルが訳詩をつけボレロ化。 ◆コンセプシオン / ブラジルのジャイル・アモリンとドゥンガ(バルヂマール・ヂ・アブレウ)の合作の56年刊サンバ、コンセイサゥンにヒルが訳詩、当然ボレロ。 ◆カミーノス・ディフェレンテス / ヒル作。これら8曲の内、何故かこの一曲だけが日本でもZL_1037(25センチLP)で58年11月に発売されている。これが実に不思議なレコードで、ミ・ウルティモ・フラカーソも入っているのだが次に記すのではなくフリート期の録音だし、シーコ盤のシン・ベントゥーラがあると思えばずっと昔のカミネモスがごていにカミネロスとミスプリント入り(レーベルも含め3ヶ所も)で収まっていた。 ◆ミ・ウルティモ・フラカーソ / 再吹込、そして日本版の奇怪さは今いったばかりだが本元のメヒコ・コロンビアでも敗けてはいない(?)。61年に創立15周年を記念してすべてアビレス期で組んだパンチョスのLP5枚組み★D5CA-1は改編して3枚組みD3CA_17,18アルブン・デ・オーロ1,2集を出している単純に計算すると3枚組2セットのほうが曲数が多そうだが、5枚組が一枚あたり12曲なのにこちらは一枚につき10曲なので、どちらも60曲と変わらない。カミーノ・ディフェレンテスは5枚組み、今回録音のミ・ウルティモ・フラカーソは3枚組に分散されていた。 |
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◆ミエード / ナバーロ作 ◆ドゥルセ・ドゥルセ・ドゥルセ / 同。ちょっと気分を変えてみようと思ったとナバーロはいう。なるほど、のちのアルビーノでの録音も含め、ボレロのようで、ボレロでなし、ルンバのようでルンバでなし、チャチャチャのようでチャチャチャでなし…。 メヒコに帰ると8月20日ブラジルから持ち帰った曲を忘れない内に?いずれもヒルの詞で ◆タルデ・フリア / カヴァキーニョに至るまでギター系の楽器はなんでもこなす、ポーリの愛称で親しまれたアンェロ・アポロニオ作タルヂ・フリア ◆コムニオン / A・ダ・クルス作コムニカサゥン ◆パラ・ケ・レコルダール / フェルナンド・セサル作 10月4日に ◆ポル・エソ・ラ・キーセ / フリオ・コーボスとエクトル・ペレス作 ◆ジェーバメ / ティト・リベーロとフアン・クラウソ作 ◆デスプレシアブレ / ヒル作 ◆ペンサンド / ビエンベニード・ブレンス作 1958年4月23日の録音は ◆エス・ポル・エソ / ヒル作はさておき、もうひとつが ◆ファスシナシオンであった。57年の映画ラブ・イン・ゼ・アフタヌーンの主題ファッシネーション(魅惑のワルツ)である。久しぶりの優雅なワルツとあってかメヒコでもチレ出身のロス・クワトロ・エルマノス・シルバ(ビクター)に至るまでたくさんのレコードが出された。アメリカのLPコロンビアWL_141ビーバ・ロス・パンチョスだは巻末に置かれたのに対し日本コロンビアZL_1073(25センチLP)では巻頭にあり、曲にあやかってアルバム・タイトルも「魅惑のロス・パンチョス」。メヒコのシングルは4173(未確認) |
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(a)ピアノ奏者としても活動し、その時はイキがって、?フレッド・マクドナルドと名乗る。 | |||
(b)ブラジルでの発音はホ’ドリーゲスに近い。 | |||
★Avilés 2期 LP盤 はMy Discoに掲載 | |||
La Historia (18). 7月8日以降の録音としてオルティス・ラーモスは次の8曲をあげており、そのいくつかが入ったアメリカのLP(後述)にはメクシコ録音と明記されているのだが、実はこの時パンチョスはメヒコには居ない。5月にはアルヘンティーナ入りしているのである。 | |||
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