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7月8日以降の録音としてオルティス・ラモスは次の8曲をあげており、そのいくらかが入ったアメリカのLP(後述)にはメクシコ録音と明記されているのだが、実はこの時パンチョスはメヒコには居ない。5月にはアルヘンティーナ
入りしているのである。前年の訪亜もあり、短期間に50万枚のレコードが売れたという。 だからいずれもアルヘンティーナ 録音と考えたほうがよさそうだ。 ◆ミ・ブエノス・アイレス・ケリード / ことにこの曲はブエノスアイレスに強力な通信手段を有していた木村喜久彌が彼らの録音をレポートしている(「中南米音楽」58年8月号)。カルロス・ガルデル曲、アルフレード・レペラ詞。アルヘンティーノなら誰一人として知らぬ者とてない名歌ながら20年余も昔の作品(34年作)しかも望郷の歌をメヒコで録音すること自体が不自然である。My Disco, Argentina Columbia 8157 Los Panchos en Buenos Aires ◆ジョ・テンゴ・ウン・ペカードヌエボ / ピアノ奏者で楽団指揮者のマリアーノ・モーレス曲。57年に流布したタンゴ(もちろんボレロ化)。だから前年訪亜の時に持ち帰って歌っていたのかも知れない。 だとするとこのころ ロス・トレス・アセスも録音しているのも 分かるような気がする。 ◆キシエラ・セール / ソモスなどボレロの佳作曲も生んでいるアルヘンティーナ のマリオ・クラベル作のリトラレーニャ(ラ・プラタ河 ◆エル・エスペーホ / ラウル・シャウ・モレノと彼のペレグリーノスの一員 マリオ・バリオスの作品。シャウ・モレーノのレコードもムサールトにあった。 ◆シ・トゥ・プディラス・サベール / 同 ◆エス・ミ・トルメント / パンチョ・フローレス作。 タン・エナモラード / アルマンド・ロメーオ作。 ◆ウン・ベーソ・イ・ウン・シエロ / 同。 これらのレコーディングから編まれたのが 米コロンビアのWL_141で、その内容は ジョ・テンゴ・ウン。ペカード・ヌエボ / Yo Tengo Un Pecado Nuevo パラ・ケ・レコルダール / Para Qué Recordar ジョ・ペカドール / Yo PecadorPara タルデ・フリア / Tarde Fría コムニオン / Comunión ミ・ブエノス・アイレス・ケリード / Mi Buenos Aires Querido タン・エナモラード / Tan Enamorado エス・ポル・エソ / Es Por Eso ペンサンド / Pensando En Ti ジェーバメ / Llévame デスプレシアブレ / Despreciable ファシナシオン / Fascinación 日本コロンビアが出したZL_1073(25センチLP、59年7月新譜)は一見このLPをベースしているようだが重複するのはジョ・テンゴ・ウン・ペカード・ヌエボ / ミ・ブエノス・アイレス・ケリード / タン・エナモラード / エス・ポル・エソ / ファシナシオンの五曲だけで米盤にはないキシエラ・セールとエス・ミ・トルメントが入っていた。そしてあと一曲が前年の録音からのサブラ・ディオス...。これは推定でしかないのだが、このレコードのベースになったのは、30センチLPが過渡期だったアルヘンティーナ の25センチ盤がもとではなかったか。しかも6月新譜シングル盤(LL_167)にはファシナシオンとグラナダという恐ろしいカップリングもあったのだから、なんともいえない。 My DiscoWL_141 , ZL_1073 (La Historia19) ながらくお待たせいたしました。やっとアルビーノさんの登場、でもパンチョスに加わるまでには、もう少しお待ちください。 |
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