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そんなことはさておき、「ピエドラス・ネグラス」には飛ぶ鳥も落とす勢いの人気ボーカル三重唱も出演していた。（09年11月01日.谷川 越二さんの訂正原稿より一部書き換えしました）。作成者．
（お待たせしました。）「まえがき」に記したように、これはロス・パンチョスの外伝である・だからジャケット（解説などには“絶対に”記されたことのない三人のプロフィールを紹介してみよう。
●アルフレード・ボハリル・ヒル（1915年8月15日プエブラ州ティシウトラン ～1999年9月10日）愛称エル・グエロ。グエロは白い肌で金髪の人をさし、女性ならグエラ。グエラの代表は誰をおいても紳士は金髪がお好きマリリン・モンロー。我々の感覚ではアルフレードはとてもグエロに見えないがメヒコ人の間ではあの程度でもグエロなのだ。33年ごろエロイーサ・アルメンタと結婚、35年か39年のニューヨーク入りにあたり離婚。50年代の妻はルクレシア・ムスキス・ブランコ、ただし50年代の内に離婚・54年ごろメルセデス・バスケス、つまりカリーダの妹にプロポーズするも果たさず。61年ステージ・ダンサーのグアダルーペ・ベドイと結婚。すったもんだはあったが生涯別れなかったはず、
彼女のために彼は「ルピータ（グワダルーペの愛称）」を作った。パンチョスは62年に日本で歌い、録音もした。（Lupita_Johnnｙ Albino)
●ホセ・デ・ヘスス・"チューチョ”・ナバロー・モレーノ（1913年1月20日グアナフアート州イラプアート ～ 1993年12月24日）チューチョはヘスス（イエス）のごく一般的な愛称、それにしても彼の命日がキリストの誕生日前日とは．．．。36年、母シルベストレ・モレーノが死去、悲嘆と絶望を酒と女でまぎらわせていたが今度は姉のアントニア（十人姉弟の長女で、チューチョにギターを教えた）が大病で入院、彼の女友だちフランシスカ・カスターニャーダが快癒まで献身的看病。感謝が愛情に転じ、彼女と結婚
●エルナンド・アビレス / 本名エルミニオ・アビレス・ネグロン（1914年2月1日プエルト・リコ、サン・ファン ～ 1986年7月26日メヒコ市））37年にプエルト・リコ娘と結婚しているが、名前は分からないし、離婚に終る。48年にロス・パンチョスは初めてメヒコ市に登場するが、ほかならぬ「ディボリ」に出演していた時マレーナ・ペレグリーナと識り合い、50年に結婚する。
アカプリコへのハネムーン計画がテーマの彼の作品「デペンデ・デ・ティ（キミの好きなまま）」は、実話ではないだろうか（作詞は別人、エルネスト・コルターサルだけれど）。彼ら二人はメヒコ市でともに暮らした。市にエルナンドは「ジョージス」というライブ・レストランを持つが、その経営や出演者の手配は奥方の役目だった。ジョージスは二人の子供（兄にアルマンドがいる）だが正確にはマレーナと前夫との間の子である。
この三人が目の前に現れたお人形チャンたちを眺めているだけなわけがない。チューチョとエルナンドはカリーダに、エル・グエーロはメルセデスにモーションをかけ始める。三人とも妻帯者じゃないか、って。そんなことはラテン男には何ひとつ障害にならない。
ちょっかい出さないわけがない。
③にあるカリダーの証言：「ルクレシアがエル・グエロと別れたのは、彼が二十人もの女と関係しているって分かったからなのよ、」けれどもこの時はちょっかい程度で、それ以上何ごともなく、二組はそれぞれの次の目的地へ旅立って行った。しかしチューチョはカリダーにちょっかいではすまされない想いを抱いていた。
Historia de un amor : versión de cyucho Navarro-ⅲ
51年1月20日、メヒコ市ロス・パンチョスはレコード録音を行う。「ボルベラーズ」「ミ・ビディータ」「プント・フィナール」「メヒコ」「ペカード」の五曲である。